2026年6月8日、こども家庭庁の黄川田仁志大臣との面会の機会をいただき、日本シングルマザー支援協会より、ひとり親家庭の就労支援・経済的自立支援に関する政策提言を行いました。

日本ひとり親就労推進協議会では、ひとり親家庭が安定した就労を通じて経済的に自立し、子どもとともに安心して暮らせる社会の実現を目指しています。今回の政策提言は、その実現に向けた重要な取り組みの一つです。

提言の主な4つのポイント

今回の提言では、「ひとり親が本当の意味で働ける環境をつくること」を軸に、以下の4項目をお伝えしました。

  1. 正社員登用の奨励制度の創設
  2. 養育費確保制度の全国展開
  3. 児童扶養手当「早期卒業者」への奨励金制度の導入
  4. 就職前支援・定着支援制度の拡充

「働きながら育てられる社会」の実現に向けて

ひとり親家庭の課題は、特定の家庭だけの問題ではありません。

ひとり親は、世帯主として家計を支えながら、親として子育ても担っています。仕事、子育て、生活を一人で支える負担は非常に大きく、就労支援を考えるうえでは、単に「仕事を紹介する」だけでは不十分です。

必要なのは、就職前の不安に寄り添う支援、安定した雇用につながる仕組み、そして就職後も働き続けられる定着支援です。

また、父親であっても母親であっても、働きながら子どもを育てられる社会をつくることは、すべての家庭に関わる重要なテーマです。共働きが一般化し、家族のあり方が多様化するなかで、子育てと仕事の両立を阻む制度的な課題を一つひとつ見直していく必要があります。

収入向上を妨げない制度設計へ

現場では、児童扶養手当などの制度との関係から、「収入を増やすと損をするのではないか」という不安を抱え、就労や収入向上に踏み出しにくい方もいます。

しかし、収入を抑えることは、目の前の生活だけでなく、子どもの教育費、将来の住まい、自身の老後資金にも大きな影響を及ぼします。

ひとり親家庭の自立を後押しするためには、「頑張って働くほど将来が広がる」と実感できる制度設計が必要です。手当を受けることと、収入を上げていくことが対立するのではなく、段階的な自立を支える仕組みづくりが求められています。

現場の声を政策へ

日本シングルマザー支援協会は、13年間にわたり、約13,000名の会員とともに、シングルマザーの就労支援・経済的自立支援に取り組んできました。

その現場から見えてきたのは、制度の狭間にあるリアルな困難です。

給付を増やすことだけが支援ではありません。ひとり親が自分の力で収入を得て、自分の人生を主体的に選び取れるようになること。そのための就労支援、定着支援、企業・自治体との連携を進めていくことが重要です。

日本ひとり親就労推進協議会では、今後も現場の声を政策へ届け、ひとり親家庭が「支援を受ける側」にとどまらず、社会を支える一員として力を発揮できる環境づくりに取り組んでまいります。